Basketball Remcommendation

弱いチームが強いチームに勝つために参考になる(であろう)バスケのいろいろ(動画・考え方など)をリコンメンド!弱いチームだって勝てるのがバスケットボールだ!(と思ってます)

日本vsスペイン U19 準々決勝④ 〜選手起用とタイムアウト〜

Spain v Japan - Full Game - Quarter-Final - FIBA U19 Women's Basketball World Cup 2017

https://youtu.be/26l4JFU8Gz8

 

先日、世界トップ10入りを果たしたU19日本代表男子のHCをつとめるトーステン・ロイブルコーチが、選手起用とタイムアウトについてのクリニックを昨年おこなった。世界のスタンダードを知ることで、バスケットボールの原理原則がわかり、各チームの意図も見えてくる。今回の試合についても、ロイブルコーチが語るスタンダードと比較してどうか簡単に検証したい。


※クリニック内容については、下記のゴールドスタンダード・ラボ 片岡氏によるまとめが大いに参考になる。「U-19男子日本代表HCトーステン・ロイブル氏のタイムアウト・選手交代戦略 | ゴールドスタンダード・ラボ 」: http://goldstandardlabo.com/blog/2017/08/16/ebba-reports-timeout/

 

引用:1.Substitusions(交代について)より

欧州では少なくて8人、多くて11人で戦い、常にコート上では強度の強い攻防を要求している。1人当たり、20~25分のプレータイムをリミットと考え時間の配分を行っている。


◆今回の試合(両チームとも12人全員出場)

1)日本:MAX #12 S. Mawuli 24min

1Q(10) Full、2Q(8) 残り7分 out、残り5分 in、3Q(3) 残り7分 out、4Q(3) in 残り7分out


2)スペイン:MAX #8 I. Etxarri 26min

1Q(3) 残り3分 in、2Q(8) 残り5分 out 残り3分 in、3Q(7) 残り7分 out 残り4分 in、4Q(7) 残り7分 in


3)スペイン:MAX #10 P. Ginzo 26min

1Q(7) 残り3分 out、2Q(8) 残り8分 in、3Q(7) 残り3分 out、4Q(5) 残り5分 out


上記の3人が、各チームにおけるMAX出場だった選手である。最大でもスペインの2選手の26分間の出場となっている。出場した選手数も両チームとも12名であり、前述の引用記述と合致する。まさに選手起用における世界のスタンダードの中で、この試合が展開されたことが伺える。


また、#10の休ませ方は、クリニックで語られた「クォーターブレイクを有効に使い、選手を休ませる」方法である。逆に考えると、#10がスペインのキープレーヤーだというヒントになりはしないか。この試合に限れば、#10が秀でた数字は残していないが、実はそれが日本の勝因に大きく影響していたのかもしれない。


引用:5.いつタイムアウトを取るべきか?

タイムアウトは、決して相手チームに負けている、劣勢であることを意味するわけではない。決して、恥ではない。どのような試合でも問題は起きる。ゲームに対する良い感覚を失うこともある。タイムアウトの時間で、それを取り戻せばよい。


実はこの試合、日本は1回のタイムアウト(3Q)しか要求していない。それだけ日本が順調に点差を広げていけたことを表しており、つまり相手のゾーンや前線からのプレッシャーに対して、選手たち自身で問題解決ができていた証である。


◆日本のタイムアウト直前のプレーから
https://youtu.be/26l4JFU8Gz8?t=1h17m50s


また、1度だけ要求したタイムアウトの指示においても、(一瞬ではあるがビデオで映るので確認できる)インサイドに対するディフェンスの守り方1点のみに絞っていたように見える。これもまたロイブルコーチが話すように、最優先事項を適切にピックアップし、シンプルに伝える手法である。


結果だけ見れば、強豪スペインに割りとあっさり勝った試合に見える。しかし、このような選手起用やタイムアウトの世界スタンダードの観点から見ても、日本の選手やコーチ陣が原理原則に基づいた手法を的確に用い、勝機を逃さなかったことがわかる。